☆アイバット☆
2011年 06月 14日
ルナとコレルは駆け足でフラリス北広場の門をくぐり町の外へと出た。
町の周りには小さな小川が囲っており町から外へは橋が架かっていた。
「まずはフラリスの町の外周に生息するアイバットってモンスターと戦って戦闘に慣れてもらうからな、まぁアイバットはマドリガル中最弱のほとんど浮いてるだけのモンスターだから問題はないと思うけどボーっとしてると噛まれるから注意するんだぞ。」
と橋を渡りながらコレルはルナに言った。
橋を渡りきると町の中からではあまり見えなかった外の風景が目に飛び込んできた。
遥か彼方まで続いてる緩やかな丘、その左右にうっすらと茂っている芝生。
そしてうようよと宙を浮いている一つ目の丸いコウモリのようなモンスターがいた。
「あれがアイバットだよ、それじゃあ俺は後ろで見てるから適当に戦ってみてよ。気づいたことがあったらすぐ教えてあげるから好きなようにやってみな。」
そういわれ、ルナは腰に携えていた【ウッド・ソード】を抜き取りながら走り出した。
「ええええぇぇい」
悲鳴に近い声を出しながらルナは一匹のアイバットめがけて【ウッド・ソード】を振り下ろした。
「キィキィ」
ルナの一撃で地面にたたきつけられたアイバットが起こったような声でルナにめがけて突進してきた。
「きゃあああ」
ルナはとっさに手でそれを防いだものの尻餅をついて体勢を崩してしまった。
(だめだ!)と思い目をつぶってしまった瞬間目の前でキン!と剣が鳴った。
恐る恐る目を開けたルナの前にコレルが困ったような顔をして剣を肩に担いでいた。
「おいおい、ルナ。 あんま言いたくないけどアイバットってフラリスの小さな子供ですら倒せるLvのモンスターなんだぜ。」
「うん・・・」
ルナは悔しさと恥ずかしさで少し声が暗くなりながらうなずいた。
「まあ、最初の攻撃は悪くなかったけどあそこで躊躇っちゃ駄目さ。あの場面では追撃をするか一歩下がって間合いを取るかの2択かな。 じゃあ、どんどん狩って行こう。 こればっかりは頭じゃなくて体で覚えるしかないからな。」
ルナは【ウッド・ソード】を地面に突き刺してそれに体重をかけながら立ち上がり再びアイバットへ向かっていった。
そのルナを見てコレルは昔のことを思い出していた。
(そういや、俺も昔遊びでアイバットを狩っていた時にヘマこいてやられそうになったときにあの人に助けてもらったんだよな・・・)
コレルは幼い頃やんちゃな少年でしょっちゅう町の外で狩りの真似事をしていた。
そんなある日、複数のアイバットに囲まれ大怪我を覆いそうになったときに一人のブレードがコレルを救っていた。
そのブレードというのがコレルが憧れる【英雄・センシリット】だったのだ、この日からコレルはいつか旅に出てセンシリットのような凄腕のブレードになるのが夢になっていた。
「えええい! やぁ!」
コレルがフと昔の回想に浸っている間にルナはどんどんアイバットをなぎ倒していた。
「お。 ちょっとはましな動きになってきたな。 こんだけ倒せばそろそろだな。」
コレルがそう言った次の瞬間ルナの体が淡白く光った
「なにこれ? 体が軽くなったような感覚」
ルナは戸惑いながらも少し心地よい感覚の中にいた。
「Lvがあがったんだよ。 これでルナはLv2になったのさ。」
「Lv?」
コレルはLvで覚えられるスキルや自分の隠れた力が発揮されることを説明しながら【インベトリ】を開くように言った。
「インベトリにはいくつか役割があって主だった機能がさっきやったアイテムの収納、もう一つが自分の能力値の数値化だな。 インベトリの一番後ろのページを開けてみな」
言われたとおりルナは【インベトリ】の最後のページを開いた。そこには
名前:ルナ
職業:放浪者
Lv:2
と書かれていた。
「Lvや転職したときは自動でそのページが更新されるんだ」
そういいながらコレルは自分のステータスを見せた。
名前:コレル
職業:マーシナリー
Lv:17
となっていた。
「へー、面白い本だね。自動で中身が変わるなんて私がいた世界には無かったな。」
ルナはマドリガルに来てから初めて笑顔がこぼれた。
「私のいた世界に帰ったら、ここでの体験を元に本を書きたいな。 うん、がんばれる気がしてきた。」
ルナはそういいながら、またアイバットの群れへと走り出した。
「あぁ、やっと私にも自分だけの目標ができた。」
それはルナの平凡な毎日の繰り返しでは到底考え付かなかった目標であった。
その目標を胸に日が暮れるまでアイバットとの戦闘を行っていた。
辺りが暗くなるまで・・・
町の周りには小さな小川が囲っており町から外へは橋が架かっていた。
「まずはフラリスの町の外周に生息するアイバットってモンスターと戦って戦闘に慣れてもらうからな、まぁアイバットはマドリガル中最弱のほとんど浮いてるだけのモンスターだから問題はないと思うけどボーっとしてると噛まれるから注意するんだぞ。」
と橋を渡りながらコレルはルナに言った。
橋を渡りきると町の中からではあまり見えなかった外の風景が目に飛び込んできた。
遥か彼方まで続いてる緩やかな丘、その左右にうっすらと茂っている芝生。
そしてうようよと宙を浮いている一つ目の丸いコウモリのようなモンスターがいた。
「あれがアイバットだよ、それじゃあ俺は後ろで見てるから適当に戦ってみてよ。気づいたことがあったらすぐ教えてあげるから好きなようにやってみな。」
そういわれ、ルナは腰に携えていた【ウッド・ソード】を抜き取りながら走り出した。
「ええええぇぇい」
悲鳴に近い声を出しながらルナは一匹のアイバットめがけて【ウッド・ソード】を振り下ろした。
「キィキィ」
ルナの一撃で地面にたたきつけられたアイバットが起こったような声でルナにめがけて突進してきた。
「きゃあああ」
ルナはとっさに手でそれを防いだものの尻餅をついて体勢を崩してしまった。
(だめだ!)と思い目をつぶってしまった瞬間目の前でキン!と剣が鳴った。
恐る恐る目を開けたルナの前にコレルが困ったような顔をして剣を肩に担いでいた。
「おいおい、ルナ。 あんま言いたくないけどアイバットってフラリスの小さな子供ですら倒せるLvのモンスターなんだぜ。」
「うん・・・」
ルナは悔しさと恥ずかしさで少し声が暗くなりながらうなずいた。
「まあ、最初の攻撃は悪くなかったけどあそこで躊躇っちゃ駄目さ。あの場面では追撃をするか一歩下がって間合いを取るかの2択かな。 じゃあ、どんどん狩って行こう。 こればっかりは頭じゃなくて体で覚えるしかないからな。」
ルナは【ウッド・ソード】を地面に突き刺してそれに体重をかけながら立ち上がり再びアイバットへ向かっていった。
そのルナを見てコレルは昔のことを思い出していた。
(そういや、俺も昔遊びでアイバットを狩っていた時にヘマこいてやられそうになったときにあの人に助けてもらったんだよな・・・)
コレルは幼い頃やんちゃな少年でしょっちゅう町の外で狩りの真似事をしていた。
そんなある日、複数のアイバットに囲まれ大怪我を覆いそうになったときに一人のブレードがコレルを救っていた。
そのブレードというのがコレルが憧れる【英雄・センシリット】だったのだ、この日からコレルはいつか旅に出てセンシリットのような凄腕のブレードになるのが夢になっていた。
「えええい! やぁ!」
コレルがフと昔の回想に浸っている間にルナはどんどんアイバットをなぎ倒していた。
「お。 ちょっとはましな動きになってきたな。 こんだけ倒せばそろそろだな。」
コレルがそう言った次の瞬間ルナの体が淡白く光った
「なにこれ? 体が軽くなったような感覚」
ルナは戸惑いながらも少し心地よい感覚の中にいた。
「Lvがあがったんだよ。 これでルナはLv2になったのさ。」
「Lv?」
コレルはLvで覚えられるスキルや自分の隠れた力が発揮されることを説明しながら【インベトリ】を開くように言った。
「インベトリにはいくつか役割があって主だった機能がさっきやったアイテムの収納、もう一つが自分の能力値の数値化だな。 インベトリの一番後ろのページを開けてみな」
言われたとおりルナは【インベトリ】の最後のページを開いた。そこには
名前:ルナ
職業:放浪者
Lv:2
と書かれていた。
「Lvや転職したときは自動でそのページが更新されるんだ」
そういいながらコレルは自分のステータスを見せた。
名前:コレル
職業:マーシナリー
Lv:17
となっていた。
「へー、面白い本だね。自動で中身が変わるなんて私がいた世界には無かったな。」
ルナはマドリガルに来てから初めて笑顔がこぼれた。
「私のいた世界に帰ったら、ここでの体験を元に本を書きたいな。 うん、がんばれる気がしてきた。」
ルナはそういいながら、またアイバットの群れへと走り出した。
「あぁ、やっと私にも自分だけの目標ができた。」
それはルナの平凡な毎日の繰り返しでは到底考え付かなかった目標であった。
その目標を胸に日が暮れるまでアイバットとの戦闘を行っていた。
辺りが暗くなるまで・・・
by runaburitania
| 2011-06-14 01:46